2013年12月23日月曜日

NSXは2015年発売 市場環境はどう変わる?

  ホンダが堂々と開発を明言していて、もはや逃げることも出来なくなった新型NSXですが、まだ発売までは1年以上を要するみたいです。クルマ自体は去年の段階でプロトモデルが完成していて、今年は一般公開の走行もありました。着実に完成へと向かっているようで、決して絵に描いた餅には終わらないのは確かでしょうが、NSXの開発発表のあとライバルと目される新型スーパースポーツカーがかなりの登場しました。実際の開発期間はそれほど変わらないのかもしれませんが、ホンダが「牛歩戦術」を意図しているのは確かのようです。

  新型NSXがハイブリッドのAWDで登場することは早くからアナウンスされていました。駆動モータを電気信号で捜査して、左右の回転数をコントロールするホンダ版アテーサを本家の日産よりも軽量に作ってしまおうというコンセプトを早くからぶち上げていました。しかしアイディア自体は極めて初歩的なようで、今年相次いで登場したEVスーパースポーツのポルシェ918とBMWi8にもすでに似たような機構が採用されています。

  この2台に先を越されたとはいえ、918は限定モデルにもかかわらず7500万円以上という価格がネックとなり苦戦。BMWi8はスタイルとは裏腹にとてもスーパースポーツと呼べる次元の性能ではない、けど環境性能だけで1500万円らしい・・・。どちらもこれから登場するNSXのことはとりあえずまったく気にしていない様子です。3者3様で上手く市場を分け合うだろうという見方もできますが、果たして911、GT-R、コルベットといった「権威」に、新たに挑んでいったマクラーレンMP4-12CやジャガーFタイプのようなインパクトをハイブリッドスポーツ勢も残せるのかは不透明です。

  ホンダとしてはAWDとして先行しているBMWi8を踏み台にして、スムーズに新型NSXを市場に送り出そうという意図は確実にあるはずです。最終的には市場に受け入れられたGT-Rですらその登場時は少なからず逆風にさらされました。AWDのガソリンターボ車を極限まで効率化したクルマですらこの有様ですから、ハイブリッドのスーパースポーツカーの登場には想像以上の困難が待ち受けているでしょう。実際に918もi8もその難局に晒されつつあります。

  さらにNSX特有の問題として、ホンダはパワートレーンとシャシーの開発を完全に分業化して取り組んでいて、開発コストの高騰やコンセプトのイニシアティブがどちらにあるのか?といったことが懸念されます。最終的に誰が全責任を負って作っているのかも不明確なままに、日本のエンジニアと米国のエンジニアそして技術畑出身である社長を含めた幹部がそれぞれに「怪情報」を散発的にリークしています。

  新型NSXはニュルで7分を切るのか?それともあくまで環境性能に配慮したクルマなのか?ポルシェ918はこの矛盾する2つの要素をしっかりと追いかけ達成したようですが、7分を切ったグレードの車両価格は8500万円で市販車の次元を超えてしまっています。V6+3モータHVというシステムでおそらく600ps近くのパワーを出してくるとは思いますが、先行する918がすでに800psオーバーということを考えても、ホンダにとってセールスポイントとなる「カード」が不足している気がしますね・・・。

  それでも初代NSX発売時もスーパーカー初体験のホンダに対して不安を隠せないネガティブな論調が多かったと聞いています(なにせ小学生だったもので・・・)。それでも20年以上過ぎた現在でも色あせることない名車として初代NSXはカレラGTと並ぶほどの名車として人々の羨望の眼差しを得ているのですから、ホンダの実力を信じていればいいのかな・・・。


  ↓写真で見るよりこのクルマは繊細で美しいです。実はとっても興味があります。
  

  

2013年11月22日金曜日

ターボエンジンの上手い使い方を欧州に教えてあげよう!

  「わずか1500回転から最大トルクが溢れるので、出足からものスゴいパワフルだ。日本車では絶対に感じられない加速感・・・、それだけでも十分に価値がある・・・」

  日本人のクルマ観ってなんて薄っぺらいんでしょうか、プロ・アマ問わずの無知識な発言が飛び交って悲惨なことになっています。もはや物理を駆使して思考するっていうことが出来なくなってますね。トヨタがどうだとか散々得意になって批判しているバカ丸出しな人々がネットや雑誌でステレオタイプな妄言を次々と吐いています。少なくともトヨタの開発者は立派に仕事をしていますし、大抵のモータージャーナリストよりもよく考えています。

  トヨタをバカにするマツダファンとかもううんざりです。マツダなんて自分達がピンチになると火事場の馬鹿力を発揮することもありますが、平常運転では「つまらない」クルマしか作れない三流メーカーです。マツダの品質が良いというなら、トヨタも日産もホンダもスバルもスズキも三菱もその上を行っています。

  トヨタをバカにする輸入車ファンなんて論外です。BMWやメルセデスの内装がいい?そんなこと言ってるのは日本人だけですよ。自前の3シリーズと職場のパッソの走りを比べてBMW>トヨタみたいな結論してたりする訳です。まあ間違ってはないですけど。だけど冒頭のような完全に蛇足なコメントを平気な顔して残していくわけです。BMWだって好きで低速トルクやっているわけでないのに、「BMWの真骨頂」みたいなこと言っちゃうわけです。これは立派なBMWへの冒涜行為です、プロアマ問わずとりあえずBMWに謝れ!

  BMWとしてはぜひM6に乗ってもらって良さをアピールしてほしいとは思ってるでしょうが、320iとか116iとか乗ってるヤツにはとりあえず何もしゃべるなと言いたいでしょうね・・・。間違っても「クラス唯一のFR」とか絶対に言われたくない一言だと思います。

  BMWに限らず欧州メーカーは歴史的にアメリカや日本の企業がまるで「使い捨て」のように次々に新技術を開発し続けた70年代から、一貫して「おこぼれ」を拾い集めて独自の感性でクルマに取り入れてきたわけなんですが、バブル崩壊以降、アメリカも日本も開発費をあまりかけなくなってしまったので、欧州メーカーの進歩もそこで停滞しつつあります。

  日本メーカーが80年代に築いたターボ技術が今の欧州メーカーを支えています。もちろん積極的に三菱とIHIがターボチャージャーを売り込んでいて、世界シェアの多くを日系企業が握っているのは今も昔も変わりませんが・・・・。だけどターボ技術は日本の乗用車の主流から完全に外れていて、開発がほとんど停止しています。欧州メーカーは日本の直4ターボを完全に受容して今も使っていますが、当然ながら日本で開発が止まっているので次の段階の技術が入ってきません。

  さてそんな欧州メーカーに朗報で、あのホンダが新たにターボエンジンを開発して、ホンダの中型車を中心に展開するとアナウンスされました。FF最速となるタイプRのエンジンとして2Lターボで300ps出す計画なのだとか・・・。他にも1Lと1.5Lの計3タイプのターボエンジンを開発するようですが、一体どんな展開を見せてくれるのでしょうか?

  もはやEV化していると言われるアコードHVに新たな高効率エンジンとして、一番オイシイところだけで回し続けてレンジエクステンダーとしてアトキンソンサイクルエンジンよえい高効率化を目指すのでしょうか。今後の続報に期待したいと思います。

  


2013年9月5日木曜日

「セダン愛」ならアコードHV1台だけで終わらせないで・・・

  ホンダの3ナンバー車の販売台数は急速に落ち込んでいて、現在約2500台/月になっています。これはなんとスバルやマツダの1/4程度の水準です。それでもスバル・マツダよりも利益が出せている素晴らしいカラクリの経営となっていますが、やはり花形車種の減少でブランドイメージの低下は現実に起こっているようです。

  日本国内の販売構造の変容はともかく、ホンダは今後段階的に中型モデルの刷新を図って、世界販売においては600万台まで増強する中期目標が公表されています。中型モデルが主軸のホンダではこれらの部品共通化で生産性の向上を目指すプランが盛り込まれてて、まるでVWの「MQBプラットホーム」を真似たような企画なのかなと推測しています。いまや1000万台級のメガメーカー(トヨタ・GM・VW)は小型車の増強で台数の底上げを図っていて、追撃するホンダも600万台越えとなると、中型車だけでは達成は困難で、新興市場にオートバイとセットでさらなる拠点を投下していくことになりそうです。


  主力のアコードとフィットのFMCが既に行われました。その内容は「石橋を叩いて渡る」ような理詰めの常識的なマーケティングを前面に押し出したものになっています。どちらもトヨタのヒット車であるカムリHVとアクアをそれぞれ強く意識しています。マーケットも熟知した上での「後だしジャンケン」で、合理的に燃費性能できっちり上回っているのだから売れないはずはないでしょう。

  それでもはたしてカムリHVやアクアのデビュー時に市場が感じたインパクトを超えられるのかと言われればやや疑問が残ります。カムリHVもアクアも周囲の予想を良い意味で裏切り、トヨタらしからぬ前衛的な好デザインで登場したことがスマッシュヒットにつながりました。もちろん燃費も素晴らしいですが、それ以上にデザインに唸った人々が多かったように思います。そしてこの2台のライバルとして、ホンダの新型車が登場してくるわけですが、アコードHVとフィットのデザインの印象はどうも訴求性が弱く感じてしまいます。

  それでもアコードHVもフィットも競争力が高く、しぶとく国内シェアを切り取っていくだろうことは予想できます。ただこのままだとホンダの独創性は一体どこへ行ったのか?という一抹の不安も同時に感じます。ホンダの首脳部もこのことには既に危機感を持っているようで、日本で発売するかどうかも不明なNSXやレジェンドの情報を発売の3年以上前から積極的にリークをし続けていたりします。どうやらNSXもレジェンドも1000万円クラスのトップエンドカーになってしまうようですが・・・。

  日本で発売されるホンダのラインナップでミドルクラスはCR-Vを除くと、アコードHVのみという設定になっています。これははいくらなんでも極端だと感じてしまいます。いくらハイブリッドが人気だからといっても、MAX燃費が60km/h走行時に発揮され、90km/hではガソリンエンジンよりも燃費が悪いと言われるハイブリッドを避ける傾向もまた顕著に見られます。常識的に考えてバッテリーが稼働しない速度帯(90km/h以上)ではバッテリーの分だけ余計に重いだけのクルマです。高速道路網の整備が進む中、まったくの時代錯誤ではという意見もあるほどです。

  ホンダは世界販売では中型3車種(アコード・シビック・CR-V)をこれからも軸にすることは変わっていません。この3台が現在のアメリカの車種別販売トップ10以内にいずれもランクインしているのは確かに驚異的です。アメリカにおいては最強のベストセラーカー・メーカーとしての地位を得ています。しかしそのラインナップの「美味しい」部分をなぜか日本に入れてくれません。シビックの全グレードとアコードのガソリンモデルが無いわけです。当然ながらブランドのイメージも日本とアメリカでは大きく変わったものになってしまいます。

  確かに直6のNAを消滅させたBMWもクソと言えばクソなのですが、ホンダの日本市場でのやり方はその次元を超えた強烈なまでの違和感があります。余計なお世話かもしれませんが、やはりミドルクラスのセダン/クーペあるいはスポーツカーでベストバイなガソリンモデルを置いておいてほしいというのが、クルマ好きの人々の率直な想いです。しかし現行オディッセイのFMCでさらに運転の楽しさを追求したモデルが減少する見通しです。

  どうやらホンダもそのことは重々承知しているようで、急遽S2000の後継となるスポーツカーの導入を検討しているとのことです。もちろん実現すればもちろん素晴らしいことです。かつての「ホンダ」のネームバリューだけで、HVスポーツカーであるCR-Zが発売まもなく大ヒットを遂げてしまった性もあり、ホンダの日本における基本戦略はだいぶブれたものになりました。その後CR-Zは一気に失速してしまいました。よってホンダもある程度は基本戦略の練り直しを行っていると思います。再び300万円クラスのHVスポーツを作ってももはや何の反響もないでしょう。ホンダの早期の立ち直りを期待したいと思います。



  

2013年8月13日火曜日

次期NSXはアメ車全開のようだ・・・

  日本人は欧州車が好きなように、アメリカ人は日本車が大好きだ。その結果というべきか、アメリカメーカーは日本車を熱心に研究している。TPPとともにアメリカからエコでコンパクトなクルマが大量に輸入される日も近いだろう。TPP交渉で日本の軽自動車規格に再三に渡って言及する理由は、彼らの分析ではすでにEVやハイブリッドカーにおいてGMやフォードが日本メーカーに決して劣っていないという自負があるようだ(EV専門メーカーのテスラの低調はやや誤算だったかもしれないが・・・)。

  そんなアメリカの首脳部の思惑をよそに、日本メーカーとアメリカ人ユーザーの蜜月は続いている。その先頭を走っている日本メーカーはホンダだ。主にアメリカ市場で日本車が受け持つミドルクラスでは、トヨタよりも商品力は完全に上回っている。主力車種のアコードはエンジンの性能から車体剛性に至るまで、北米市場で展開されるDセグセダンの中で最高の評価を得ている。受動安全性に関してもボルボやスズキと並んで最高レベルだ。

  そんなホンダも独自の高回転型パワーユニット(いわゆるV-tec)が時代に合っていないという指摘もあり、高性能車としてのホンダのポジションはやや危ういものになっている。もちろんクルマの基本性能は高く看板車種のアコード・シビック・CR-Vはいずれも出せばそれなりに売れる。しかし専門誌のレビューでは先代モデルと比べて不満が残るなど2000年代後半からのホンダの評判は良くない。もちろんこれには事情があり、ハイブリッドやミニバンの開発合戦をトヨタと繰り広げた結果、高性能車への開発に十分手が回らなかったからだ。

  しかし思わぬ形でホンダにも転機が訪れたようだ。ライバルの日産とトヨタが相次いでスーパースポーツを開発し、北米シェア拡大を目指すVWもポルシェ・ランボルギーニ・ブガティを傘下に収めて攻勢を強めてきた。経営危機を脱した米国ビッグ3もそれぞれに500psクラスのクルマのラインナップを強化して、俄然スーパースポーツが盛り上がってきた。北米が主戦場のホンダも当然ながらこの競争に参入すべく、スーパースポーツの新型NSXとマッスル=セダンになる新型レジェンドの開発に着手している。

  初代NSXはV6の280psという日本基準のスペックでデザインも日本のスポーツカーを代表する美しさを誇っていたが、新型(2代目)NSXはその風貌(デザイン)からサイズ、出力に至るまで完全に北米仕様になっている。初代をこよなく愛する日本のファンにとっては、期待と不安が入り交じった複雑な気分ではないかと思う。バブル期の日本で人気絶頂だったフェラーリやポルシェを狙って作られた初代と違って、新型がターゲットにしているのはシボレーコルベットとSRTヴァイパーのようだ。米国ホンダが設計から製造までを全行程アメリカで行うということもあって、ライバル車以上にアメリカンなデザインになっていて、日本人の感覚からいくとコルベット>ヴァイパー>NSXの順に親和性を感じるほどだ。

  日産GT-Rが日本車としてのデザインに拘った結果、アメリカでの販売が思うように伸びなかったことなども、新型NSXのデザインに大きく影響しているような気がしてならない。ライバルのコルベットは5代目でマツダのRX-7FD3Sのデザインをパクったことで有名だ。もう1台のSRTヴァイパーも同じフィアット傘下のフェラーリの影響を強く感じるデザインで、アメリカ車というより欧州車に近いデザインをしている。スーパースポーツのデザインは様々なメーカーがいろいろと影響し合って形成されつつあるが、新型NSXのデザインはそんな価値観を真っ向から否定するかのようで挑戦的ですらあるように思える。ライバルの日産GT-RやマツダRX-7の影響を、全く受けないように作り上げたデザインというならそれもホンダらしいのかもしれない。



  
  

2013年7月21日日曜日

新型フィットHVの勝算は?


   ホンダがフィットのFMCを公表していて、ハイブリッドのカタログ燃費が36.4km/Lになるようだ。トヨタのアクアを超えるカタログ燃費を当初から掲げて開発していたようで、かなり前からハイブリッドの最高燃費を叩き出すことを宣言していた。トヨタもこれに合わせてアクアのMCを敢行してさらに燃費を伸ばすと幹部が明言している。

  ホンダとトヨタの燃費競争にどれだけの意味があるのか正直言って疑問だ。ある国内メーカーの関係者が言っていたが、ハイブリッドだろうとガソリンエンジンだろうと国内メーカーはその気になれば40km/Lは軽く出せるそうだ。なんでそうしないかというと、燃費を伸ばそうとすればそれだけエンジンのレスポンスは穏やかなものになり、乗り心地や運転フィールに加えて、安全性までが全面的にスポイルされるらしい。
 
  そもそもカタログ燃費自体もかなり曖昧なものでしかない。まったく意味がないとは言わないが30km/L31km/Lになったことに大きな意義は見出しにくいのも事実だ。トヨタとホンダはどうやらクルマの性能そのものをこの曖昧な「燃費」に転嫁して、あたかも激しく技術を争っているかのように演じている。どちらの開発者も燃費なんてクルマの良し悪しにはそれほど重要でないことは分かっているはずだ。それでもナンバー1の燃費と宣伝することで、簡単に消費者は集まってくると考えているようだ。ちょっと言葉が悪いかもしれないが、ユーザーを馬鹿にしたような競争に何の意味があるのだろうか?

  ホンダは今回のFMCでフィットに2ペダルMT (DCT)を導入するようだ。あくまで憶測に過ぎないが、このDCT起用の主旨はフォルクスワーゲンがほぼ全車にこのシステムを導入しているのと同じ理由だろう。1つ目はATよりもコストが安く済む事。2つ目はエンジンのレスポンスの悪さを、ATよりもギアの切り替えに要する時間が短くなる傾向のDCTでドライビングフィールの悪化を抑えようということだと思われる。

  もちろんDCTには欠点もある。フォルクスワーゲン車への一番の苦情はナビが外付けになることらしいが、次に多いのがこのDCTの加速時の不気味な挙動らしい。アメリカと並んでAT大国となっている日本では、MT運転経験がないドライバーも多くDCTのアクセルのタイミングが分からなくて苦労するようだ。仕組みとしてはMTと同じなので、ギアの切り替え時にアクセルオンのままではちょっと都合が悪くなるのは理解できるだろう。MT車でクラッチを踏みながらアクセルオンしてエンジンの回転だけがひたすら上がるような「おぞましい現象」などまったく想像せず、アクセルを踏みっぱなしにする人も多いらしい。これではDCTがすぐに壊れるのも無理はない。

  トヨタもレスポンスの悪いハイブリッドのために独自の電気式CVTを使っているが、果たしてDCT(ホンダの名称はi-DCD)が正解なのかトヨタ・スバル方式のCVTが正解なのかは興味深いところだ。結局アクアと新型フィットの勝負のポイントは、燃費ではなくてこのミッションの具合の良し悪しなのではないかと思う。

  ホンダはトヨタへの「報復」しか頭に無いようだが、現行フィットもアクアに劣らない大ヒット車だったわけで、トヨタ全店で売るアクアの販売網の強さを考えれば、その性能や消費者からの支持では決して負けているわけではない。むしろこの1年半ではアクアの乗り味がどうしても好きになれなくて、フィットを選ぶ人もかなり居ただろう。そう考えるとフィットの最大のライバルは、コンパクトカー随一の乗り味を争う日産のノートではないかという気がする。あまりアクアとの勝負にこだわり過ぎると、結果としてどんどんお客がノートへと流れて行くのではないかと心配してしまう。